ビックリし過ぎてパニクる隣で、呆然とその写真を見つめていた。

なんで……こんなにそっくりなの……?

「貴方のご先祖様かしらねぇ〜」
にこやかにお婆さんは言った


「えっ……ご先祖様……?」
いや、そんな訳……

「そんな訳ないですよ!私、京都に親戚もいませんし!!それに、そこまで似てたら親戚にでも言われそうなものですけどね……」

あらぁとお婆さんは呟き、じゃぁ……

「貴方はこの方の生まれ変わりかもしれまへんなぁ」

生まれ変わり……

「あっ!!だから着物の着付けとか上手いんじゃない??」
急に大声で言ってきた

「いや、そんなまさか……」

「あの……お婆さん……この方は何をなさってた方なんですか??」

そう尋ねるとお婆さんはにこやかに

「花魁さんですよ」

そう呟いたのだった

花魁……
確かにきらびやかな着物や簪を付けてるし……
私には無い色気がある

名前を見て、固まってしまった。
名字は違うけど……
そこには
『神谷きい』と記載されていた。

これは偶然なのか……
それとも必然的なのか……

お婆さんは驚きながらも、「こんな偶然もあるやなぁ」と言いながら、本を私にくれた。

その本を受け取ったのは良いが……
ただ、ひたすら呆然とするしかなかった。


この本が、これからの高校生活を変えるなんてこの時まだ思ってはいなかった。
これから起きる、全ての事が、
あの頃の過去と繋がる。