入学式が始まってもただひたすらぼっーとしてしまう。

第一希望に受かったのはいいものの、
同じ中学出身の子はほぼ喋ったことがない男子のみという完全に孤独な状態。


もちろん、喋ったことがある、というか、仲の良かった男子もいる。


ただ、ちょっと訳ありなもので話すとなると難しい。

本音を言うと話したいけれど。


今の楽しみはあいつと同じ学校っていうことだけ。


あとはひたすら不安で辛い。

昨日の夜に必死で練習した作り笑いも見せる相手がいないので無意味。


なんで、私はここにいるのだろう。


受かったときは本気で嬉しかったはずなのに、
そんなこと遠い過去のようだ。


合格者発表のとき、自分の受験番号を見つけて思わず隣にいた知らない男子の手を取り一緒に飛び跳ねてしまったほどだ。

それからだらだら春休みを過ごして、
入学前日となった昨日、急に緊張と不安で全く眠れなくなるし、今朝は遅刻しそうになるし、
クラス割の紙を見てあいつがいないって落ち込んで…


なんか、だんだん悪い方向に進んでいる気がする。

どうしても明るい気持ちになれない。

校長先生の話に聞き飽きて体育館の狭い窓から横目で見る空はすっきりとしていて春とは思えないほど雲がなくまさに快晴だった。

そして、ちらりと見渡した名前も知らないクラスメイトたちも皆、あの空のように晴れ晴れした顔をしている。

あぁ、やっぱり私だけだ。

どこに行っても上手くやっていけないのかな。

モヤモヤした気持ちをどうしようもできなくて負の感情ばかりが心の中に降り積もる。