とうとう入学の時が来た。


しかしこの学校には入学式というものは存在せず、ただ生徒が教室に集まるだけである。


私はお父さんの部下の人に送ってもらい、校門の前で降ろされた。


その人にお礼を言って車を降りると、すごい数の視線が私に集まってきた。


きっと遠巻きに見てはいるものの、何十年ぶりに入学してきた女子生徒に興味を示しているのだろう。


無数の視線をひしひしと感じながらなんとか教室にたどり着きドアを開けると、それまでざわざわしていた教室は、水を打ったように静まり返った。


私は黒板で自分の席を確認し、窓際の真ん中辺りの席に座った。