奏とその側近達の腕の中で私に叫んでいる菅原さんの顔は私への恨みや嫉妬、怒りが分かった。



「自分を助けてくれる友達がいてっ、
親友の彼女だったとしても諦められないくらい好きでいてくれる彼氏がいて、
極めつけにあんたに別れを告げた元彼からもっ、碧泉からもっ……愛されてっ!」



彼女に言われる言葉の一つ一つが心に刺さった。言い返す術も無く、言い返す気力も無く、私は彼女を見つめる。





「そうやって人に愛されてしかないあんたなんて大ッ嫌い!」




ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいっ!




込み上がる謝罪の気持ち、訳の分からない責任。




私には訳の分からない意味もなく虚無に等しい謝罪の言葉達。




それらは脳内から出ることを拒んだ。




謝罪の気持ちもあればそれに刃向かう汚い自分が謝罪の言葉を隠す。



言うなれば、
なぜそんな事を言われなくちゃいけないの?
新地君の彼女はあなたじゃない!
貴方は欲張りよ。




私の中から溢れ出る汚い言葉、汚い思いたち。





だから謝罪の言葉に意味は無くなり、虚無に等しくなった。