「とりあえず仲直りしたい。もう隠してることもないし!家柄を言っちゃうとうちの家なんて和歌の家と比べたら蟻程度だけど……。良かったらこれからも普通の親友でいて欲しい。」


夜美ちゃんはニコッと笑った。



そんなこと聞かなくてもいいのに。



「当たり前じゃん!って私はこんな事じゃ嫌いにならないし、それにお嬢様って性格じゃないしねー!」


それを聞いた夜美ちゃんの私の顔を写す瞳はどんどんうるんだ。



「和歌ぁっ!大好き!」



夜美ちゃんは私をさらに強く抱きしめる。嬉しくて私も力を入れ直す。




こんな夜美ちゃんは私でも初めて見たんじゃないだろうか。



夜美ちゃんは私をはなしてハンカチで目を吹きながら私の目を見つめる。



「あと和歌、貴方の恋のせいで誰かを傷つけてるなんて思っちゃダメよ?恋は落ちちゃうものだから自分に正直にね♡」



この夜美ちゃんの言葉に私はどれだけ救われただろう。



今の私には嬉しい言葉だった。



大好きっ!



「でも何で私が気にしてるって分かったの?」



それだけが疑問。



「なんてったってエスパー夜美様だからね!」



そっか。なんで今まで気づかなかったんだろう。それだけ私の事を見ててくれたんだね。ありがとう。



「まだ時間はあるわ。演説。練習しましょう!」



「もちろん!」



私は目にうっすら涙浮かべながら夜美ちゃんは とハイタッチを交わす。



五時間目の残り時間は私と夜美ちゃんの練習が始まった。