「呼び出して悪かったな。練習でも何でもすればいい。この部屋を使うといい。」
そう言って奏は立ち上がって出ていこうとする。
私はその奏のブレザーの裾を引っ張ってすがりつく。
「そぅ、……。ごめんなさい。本当にごめんなさい!」
私は泣いた。私の感情のせいでどれだけの人を傷つけただろう。
新地君も、鏡夜も、夜美ちゃんも、菅原さんも、さらには奏だって傷つけた。
私が新地君と鏡夜の間をふらふらしなければ、きっと誰も傷つかないのに……。
自分は嫌な女だと初めて自覚した。
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