休憩時間にはいつも何かを食べている。


「ユキ、食べ過ぎじゃない？」


そう聞くと、ユキは「ストレスだから」と返事をした。


ユキはこんなにまでなってもまだ気が付いていないのだ。


ストレスがあっても他に発散方法があると言う事。


自分の暴飲暴食を止めるのは自分自身が変わればできると言う事も。


ユキは菓子パンを頬張りながら、次のオヤツへと視線を向けている。


「そろそろカナミにも謝ったら？　傷つけてきたんでしょ？」


そう聞くと、ユキはビクッと体を震わせて逃げるようにして教室を出た。


人を見下す事で自分を保っていたユキは、それが無くなり、勉もいなくなり、ついに本性を現した。


それはプライドばかりが高く弱虫で、謝ることすらできない常識知らずのかわいそうな女の子だったのだった……。