「もう昔の俺とは別人と思え。
前と同じように関わってこられたら迷惑だ」
奏汰くんはそれだけ言うと、屋上を出て行った。
その場に残された私たちは、少しの間言葉も出ずにただ立ち尽くしていた。
転校生の三浦奏汰くんは、中学の時に私たちと一緒にいた三浦奏汰くん。
突然いなくなってしまった奏汰くんに、3年間会いたくて会いたくてたまらなかった。
夏休み明け、あの時の続きのようにやって来た奏汰くんは、もうあの時の奏汰くんじゃない。
奏汰くんなのに奏汰くんじゃないなんてそんなの……残酷すぎるよ。
私たちの思い出が何一つ残っていないなんて、悲しすぎるよ。
ねぇ、私はどうしたらいいのかな?
私の気持ちはどこにやればいいの?
奏汰くん……。
その場に座り込んで中学生の時の奏汰くんの笑顔を思い出すと、涙が溢れて胸が張り裂けそうなくらいに苦しくなった。