…式が始まってから1時間半が経過した。

「では、これで入学式を終わります。」

校長先生や生徒代表の長ったらしい話がやっと終わり、みんなそれぞれの教室に行った。

私はというと…

なんと明美と同じクラス。

それを聞いた時、私たちは手に手を取り合って喜んだ。

「やったぁ〜!
同じクラスになれたね〜!」

「りながいれば、コミュ障の明美でも大丈夫〜♪」

「…!?」

そんな会話をしながら、席についた。


しばらくして、担任の先生らしき人がはいってきて、
クラス一人一人自己紹介をした。

そして、帰り…。

「はぁ〜
クラスに馴染めるかなぁ、私。」

帰り際、明美がそんなことを口にした。

「大丈夫だってぇ!
みんないい人そうだったじゃん!」

比較的誰とでも仲良くできる私は軽々しく言った。

…とはいえ、少し不安もあったり…

…とその時。

ふいに誰かが横切った。

顔をあげると………

「…あれっ
もしかして、俺の元中の子?」

「「りょ、涼先輩…!!!」」

私たちは驚いた。

すると、涼先輩はニコッと笑って、
「2人も入学したんだ!
入学おめでとう!笑」

「あ、ありがとうございますっ!」

私は既に気絶しそうだった…
だって目の前にいるのがあの涼先輩だったから…

「2人はもう入る部活とか決めたの?」

「ま、まだ決めてないです…」

「そっか!
あのね、俺高校でも陸上部入ってるんだけど、今マネージャー募集してるんだ、よかったら考えてみてくれない?
…あ、マネージャーじゃなくても、普通に選手としてでもいいからさ!」

突然の陸上部への勧誘に私たちはまたまた驚いた。
でも私は…
あの涼先輩に勧誘されて、天にも上る思いだった。

「考えておきますっ!」

私は迷わず答えた。

「そっか!
…あ、俺そろそろ行くね。
その前に2人の名前教えてくれる?」

「私りなですっ!」
「明美っていいまーす!」

「りなちゃんと明美ちゃんね、
オッケー!
じゃあ、またね。」

そう言って優しい笑顔を向けた。

私はもう気絶寸前だった。

「りな、よかったね!笑」
「うん!」

こうして、私たちの高校生活は始まった。