式場へ入るとたくさんの生徒達や保護者がいた。

…とそこに…

2年生や3年生の席に見覚えのある人がいた。

「…っ…涼先輩…!」

前の方の席に涼先輩が座って友達と話していた。
時々見せる笑顔がすごくかわいくて…

「…はぁ〜…♡」


こんな具合で見とれていると…

「お待たせっ!!!」

「うわっ!」

横からいきなり明美が声をかけてきた。

「…もーう
脅かさないでよ〜」

「や、ごめんごめん…笑
あ、りな、また涼先輩のこと見てたでしょ〜」

明美が冷やかすように言ってきたから、
私はムキになって言い返した。

「ち、違うし!
たまたまよっ!たまたま!」

「またまたぁ!♡
明美の目は誤魔化せないよ?笑
さっきのりなの目、涼先輩の笑顔可愛い〜っ!♡みたいな目してたもん笑」

「うっ…………」
す、するどい…

やっぱり明美の目は誤魔化せないか…


「ま、まあね…」

「ほらっやっぱりー!
せっかく一緒の高校入れたんだから頑張んなよっ!
涼先輩今彼女いないみたいだし!」

えっ
私の心の中で嬉しさがこみ上げる…


「あ、でも涼先輩ってかなりモテるらしいから、早くアプローチしないと取られるかもね〜」

「えっまじ?!?!」

その瞬間わたしの中で焦りが湧いてきた…


まあ、でも涼先輩はかっこいいもん…
仕方ないよね…


そうこうしてる間に入学式が始まりそうだったので、私たちは席についた。