「あいつ、佐々木奏太。あんなんだけど、野球は上手いんだ」
太陽の次になって言ってまた月のように笑った。
「あ、陽菜携帯の番号とアドレス教えて。」
「うん!」
あたしは今から教室で夏希ちゃんに会わなきゃいけない。気まずいけど仕方ない。
「なんかあったら、電話して」
冬夜はそう言ってくれた。
ちょうど授業が終わって、教室に入った。
「あの‥」
学級委員の女の子があたしに話しかけてきた
「担任の先生が‥来たら職員室にこいっていってたよ」
「あ‥わかった」
ありがとう、って一応お礼を言って職員室にむかった。
職員室に入ると夏希ちゃんだけしかいなくて少し嫌だった。
「陽菜‥昨日‥ごめんな」
「‥‥夏希ちゃん」
「謝ってすむ問題じゃないよな」
夏希ちゃんは落ち込んでた。
「あたし、夏希ちゃんがいなかったら本当に死んでたかも」
大袈裟かもしれないけど本当に夏希ちゃんがいたから、悲しむ人がいたから、死ねないって思った
「夏希ちゃんがいてよかったよ」
「陽菜‥」
「今まで通り側にいてほしい」
あたしはわがままだと思う。好きな人に振られてそのまま側にいることは辛いに決まってる
