あれ、こういう時ってなんて表現するんだっけ。

おじいちゃんはどうなったの?






 医者たちは目を伏せている。ママは目を充血させている。



「・・・・最後は・・・どうだったんでしょうか?」


ママが震える声で言う。


「苦しさはなかったようです。夜まで頑張って、そして脳に癌が転移したと思われます。痛みもなく、看護師が見つけた時にはこのように笑顔でしたよ。」


「そうですか・・・・。」


「この度は、ご愁傷様です。」





医者たちは一礼すると病室を後にした。


朝日がカーテンの隙間からおじいちゃんの顔を照らす。




本当に笑顔だ。




私は昨日のようにおじいちゃんの頭を撫でる。


冷たい。


おじいちゃんは私に触られてももう表情を変えたりはしない。







ほろりと頬に涙が伝う。

昨日のおじいちゃんのしわしわの温かい手を思い出す。

そして何より思い浮かぶのは、おじいちゃんのあの笑顔。


胸が苦しい。呼吸がうまくできない。