一分もたたないうちに、メールの返事は来た。

まるで、機械のようだった。



春川 奈実様

メール有難うございます。
お返事が頂けるとは思わなかったので、嬉しいです。

質問の解答をさせていただきます。

まず、何故貴方を選んだのか。
理由は一つしかありません。
貴方しか居なかったのですから。

次に、探し物の手掛かりはあるのか。
それは必ずあります。
必然的に貴方の前に現れるはずです。

そして、私は誰なのか。
これは、今はまだ答える事はできません。
引き受けて頂いた時に答える事になります。

以上を踏まえて引き受けて頂ける場合は
お手数ですが再度メールをお願い致します。



…内容もまた、機械的で曖昧。

ただの悪戯なのか、それとも本当に探してほしい物があるのか?

私しか居ないというのはどういう事なのか。

リビングにお母さんもいるはずだし…


疑問は消えるどころか、深まるばかりだ。

だが、私の差出人への興味が深まるのも確かだった。