悲しみに、こんにちは5



「その……口付けを……」


無表情な入家君が私を睨む。


「へぇ、キスしたんですか?」


いつも男のわりには高い声の入家君が
今日に限っては、低いのだ。



「……そうです、2度目のキスを……」



「……へえー。2度目なんですか?」



「ええ、まあ……」



「最初はいつなんですか?」




「……えっと、誕生日の日にですね……」



「ああ、あの日か……」


宙を見上げる入家君は何かを思い出しているようだ。




「なるほどねえ、それで先輩、ネックレスつけてくれないわけですね?」




「……いや、それにはまた別の訳がありまして……」



「そういえば、あの男、面白がってたしなあ。」



「えっ何の話?」




「先輩が知らない話です。
それで、2度目はどこまでいったんですか?」



「……。」




「舌、入れられたんですか?」




「……。違うわ……。」




「……先輩、図星ですね?」