「美冬ちゃん、みてみて。」
「ん?あ、すごーい。」
コテージへ帰ると、美紅と一緒にお風呂に入った。
石鹸の泡に包まれてシャボン玉を作って遊ぶ美紅。
さっきまであの男のせいでイライラしてたのに可愛い天使が私を癒してくれてる。
私もいつか自分の子供とこうやって一緒にお風呂に入って、遊ぶような時が来るのだろうか…
はは、その前に結婚出来るのかな…
いやいや、せっかく旅行きてるのに暗いこと考えてどうするのよ。
「美冬ちゃん。」
「ん?」
「大好き♪」
くぅ~♪私の天使!!
泡を流した美紅を桧の湯船に入れると、たまらず抱き締めた。
「美紅~♪」
「ねぇねぇ、みくも美冬ちゃんみたいにおっぱいおっきくなる?」
純粋な天使の質問にまた悶絶しながらも、笑って私も答えた。
「なるよー。美紅は美人さんでおっぱいもおっきくなって、モテモテになっちゃうよ。」
ーーーーーーそして次の日。
朝ごはんを食べに『だんだん家』へ訪れた時の美紅が永瀬さんに向かって言った一言に私は固まってしまった。
「おう。美紅、よく寝れたか?」
「うん!あのね!」
「ん?」
美紅はいつこの人と仲良くなったのよ。
子供ってすごい。
「美冬ちゃんの、おっぱいおっきいの!
だからね、みくも大人になったらおっぱいおっきくなるんだってー。モテモテになっちゃうんだよー。」
朝っぱらから何を言い出すの!?
「ちょ、美紅、何言ってるのっ!?」
「えぇー、だって昨日美冬ちゃん、お風呂で言ってたよ。」
「そ、そうだけど、今言わなくても、というか、この人に言わなくても…」
慌てて美紅にシーっという仕草をする。
チラリとあの人の顔を見る。
「ほら、早く座って飯食えよ。」
え、無反応?
あの人は聞いていなかったかのように、普通に朝ごはんの用意をしながらそう言って退けた。
慌てた私がバカみたい。
何よ、どうでもいいわよ、どうせ。
悔しいけど、文句のつけようがない朝ごはんを黙々と食べる私。
その途中、ふとあの男が口を開いた。
「美紅、おっぱいはデカさじゃないけんな、
触り心地で決まる。」
「はーい。」
「ブッ!!ΣΣΣ
子供に何言ってるんですか!?」
思わず吹き出しそうになって口元を押さえながら、とんでもないことを美紅に教える男に怒鳴った。
「子供に嘘はつけんだろ。
本当のことを教えてやらんといけんだろ。」
「いくら本当でも教えなくていいですっ!」
「ギャンギャン言うな。」
「ギャンギャン何て言ってませんっ。」
「あんた、彼氏おらんだろ。」
「な、何であなたにそんな事言われなきゃならないんですか!?」
「やっぱりな。
美紅、女は可愛くしとかんといけんで。」
図星なだけに言い返せず、唇を噛む。
な、何なのよーー!こいつはーー!



