目が覚めると、リビングのソファーで眠っていた。
ちゃんと毛布もかけてあって…
って、あれ?
見渡すと、彼の姿がない。
さすがにいないか。
昨日の夜は、あんな風に言ってくれたけど…
やっぱりその場限りだよね。
私は深く息を吐き、そこらに散らばる服を拾い集めて身につけた。
美紅の様子、見に行かなきゃ…
ーーーーーーーガチャ
え?
2階の寝室のドアを開け、思わず足を止めた。
だって、
「永瀬さん?」
ベットで美紅を抱っこする彼がいた。
抱っこされている美紅は、スッキリとした顔つきで熱が下がったんだと分かった。
「美冬ちゃんっ、おはよ。」
「美紅っ!」
とびっきりの笑顔で私に笑いかける美紅にホッとして抱き締めた。
…構ってられなくて彼ごと。
良かったぁ…本当に良かった。
「良かったな、熱下がって。」
「はいっ。」
頭を撫でられ、昨日の夜のこともあり思わず恥ずかしくなってしまった。
きっと顔が赤いに決まってる。。
「美冬ちゃん、お顔赤いよー。
ねつあるの?美紅がかんびょうしてあげる。」
「ほんとだな、二人で看病してやるか。」
ちょっと、二人してっ。
私は恥ずかしくなって、先に1階へ降りた。
遅れて、彼に抱っこされて美紅達も降りてきた。
それから、三人で朝ごはんを食べた。
何か、親子みたいな感じでちょっとおかしかった。
食べ終わって、窓の外を見るといつの間にか晴れていて嵐は去っていた。
窓の上ではてるてる坊主が陽射しを浴びて、ちょっと清々しそうだった。
「おぅ!無事だったか?」
「あ、先輩!!」
振り向くと、高井先輩が様子を見に来ていた。
昨日電話をしたことを伝えると、先輩は近所の消防団に入っていてこの台風で被害がないか見回りに出ていたと話した。
そっか、それは仕方ないよね。
その代わりに永瀬さんが駆けつけてくれたし。
「ま、停電くらいで良かったな。」
「え、あ、はい。」
その停電の中、私と彼は…
「西藤。」
「はい?」
「あいつ、口は多少悪いけど根は優しいし、頼りになる男だけん。」
「はぁ。」
先輩、なぜそんな改まって…
「だから、安心していつでも嫁に来てごせや。
ここら辺、嫁さん少ないけん、大歓迎だぞ。」
「はいっ!?」
突然この人は何を言い出してるのよっ!?
すると、隣へ永瀬さんがやってきて…
「お前、朝っぱらから何言っちょーかや。」
「いやぁ、だってえらい昨日は盛り上がっとったみたいだったけん。」
はい?
先輩今なんて?
「先輩?昨日って…」



