「あの、あの、えっと…あ、み、美紅の様子見に行かなきゃ…」
突然抱き締められて、テンパる。
どうしていいか分からず、とりあえずそんな事を言いつつその腕の中から逃れようとした。
でも、
「大丈夫だ、よく寝とるだろ。」
そう言ってグッと抱きすくめられた。
ど、どうしよ。こんなに力強く抱き締められるなんて、久々過ぎる。。
「でも、もしかしたら…」
「あ~もう。」
今度はくるっと反転して、正面から腰を引き寄せられてすぐ真上から見つめられた。
背の高い彼の熱い視線に思わず、絡めとられるように私も見つめた。
「いいから…
あんたは黙って俺に抱かれとけ。」
やっぱりこの人は…ほんとに俺様ね。
そう思った時、
「んっ………」
野獣かとツッコミたくなるような、雄々しいキスに襲われた。
時折、ライトの灯りでぼんやりと伺える彼の顔がひどく色っぽく艶めいていた。
激しいキスについていくのがやっとの私は、すぐに足腰に力が入らなくなって…
「ん…ふぁ…待って、」
「まだ、キスだけだぞ…?」
彼は、私の唇を解放するとグッと腰を密着させ支えるようにしてそう囁いた。
何か悔しい。
キスだけで私をこんなにする彼にちょっと嫉妬した。
でも、
「その…私…」
「ん?」
「笑わないで…」
「何を。」
「その…私、一晩だけとかそういう関係、
嫌なの…だから…」
私は東京に帰らないといけない、彼は地元の人。
もうこれっきりの関係。
きっともう会うこともないはず。
私はそんな大人な関係は嫌で、今までそんな関係を持ったことなんて一度もない。
だから…
「好きだけん…っていう理由はなしか?」
「え?」
予想外の言葉に驚き、彼の顔を見上げると…
「会った時から好きんなったから、あんたを今ここで抱きたい…それじゃいけんか?」
少し照れくさそうな彼の顔。
あ~もう。
「ダメじゃないですっ…」
そう答えて、彼の首に抱きついた。
何だ…こんなことってあるんだ。
まだ出会って2、3日でも、恋に落ちるって…
それも、お互いって…
「ふぅ~ん…」
「何っ?」
「おっぱい、触り心地もOKだな。」
「なっ!?」
時折、意地悪にそんな事を言いつつ明け方突然、電気が付くまでの間、彼は私を離さなかった。
ミニキッチンで、ソファーで、お風呂で…
暗い空間でそれはそれはもう、まさに野獣の如く…
まぁ、電気がついても離してもらえなかったんだけど。



