秘め恋*story8~別荘で…~




ーーーーー………



「はぁ、薬飲んでくれて良かったぁ…」



「まぁ、後はとにかく汗かいて、よく寝て、熱が下がるのを待つことだな。」



「はい。」




あれから、永瀬さんが作ってくれたサラッとした玉子粥を少し食べた美紅は、子供用の解熱剤を飲んでくれてまた眠ってくれた。



そして、今1階のリビングのソファーに座って永瀬さんが作ってくれたスープを頂いていた。



あまり食欲が湧かない私にも気遣って出してくれたスープはすごく美味しかった。




「あの、来てくれて本当に助かりました。
私はひとりじゃ何にも出来なくて…」




ミニキッチンで後片付けをしてくれている永瀬さんに声をかけた。



食器を洗いながら、チラリと私の方を見ると




「仕方ないわな、
子供が急に熱出したら誰でも焦る。」




永瀬さんはここへ来てからずっと優しい。
今もこうやって慰めをいってくれる。


何か、そんな優しくされると…




「へっくしゅ…」




あ…


くしゃみをした永瀬さんを見ると、そういえば彼は雨に濡れて来てくれた事を思い出した。



あれから、バタバタして髪も体も濡れたままだったことに気づいて慌てた。




「あの、お風呂入って暖まってきてください。
服も乾燥機があったので乾かせます。」



「いや、でも」



「いえ、今度は永瀬さんが風邪引いてしまいますからっ。」




遠慮する彼を半ば無理やりお風呂まで背中を押して連れていった。



そこまですると彼も“じゃあ…”とお風呂に入ることにしたらしい。




私はそれからもう一度美紅が眠っているのを確認すると、ミニキッチンへ戻って後片付けの続きをした。




「ふぅ。」




洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながら、暫く前から感じている胸のドキドキの正体について考えていた。



そんなね、昨日今日会った人にそんな…まさかね。


ただ、その嫌なやつが意外に優しくてとか…そう!あれだよ。ギャップ萌え的なね。



色恋のときめきじゃな…



「風呂、上がった。」



「きゃあっ!」




突然現れた彼にびっくりして軽く心臓が止まりかけた。


振り向いて、



「きゃあっ」



「いちいちらきゃあきゃあ言うな。」



「な、何で裸なんですかっ。」




そう、振り向いた先にはタオルを巻いて上半身裸の彼がいた。


うるさそうにタオルで頭をゴシゴシする彼は、
思わず見いってしまうくらい色っぽかった。


ふ、腹筋割れてるし。
ちぇっ、田舎男のくせにっ。


なんて、訳のわからない文句を思っていると、今度は…



ーーーーードォーンバリバリバリ。




「きゃあっ!」




またも大きな雷。
そして、今度はそれと同時に…




「え、停電?」



「みたいだな。」




視界は真っ暗。
雷の次に苦手な停電。




「やっ、どうしよ。怖いー。。」




何にも見えなくて、いい年して怖いを連呼。
じっとしてればいいものの、慌ててしまう。



すると、




「いいから、じっとしてろ。」



「んっ………」




小さなランタン型のライトが目の前のカウンターに置かれ、背中からお風呂上がりの熱を持った体に抱き締められる。