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「はぁ、薬飲んでくれて良かったぁ…」
「まぁ、後はとにかく汗かいて、よく寝て、熱が下がるのを待つことだな。」
「はい。」
あれから、永瀬さんが作ってくれたサラッとした玉子粥を少し食べた美紅は、子供用の解熱剤を飲んでくれてまた眠ってくれた。
そして、今1階のリビングのソファーに座って永瀬さんが作ってくれたスープを頂いていた。
あまり食欲が湧かない私にも気遣って出してくれたスープはすごく美味しかった。
「あの、来てくれて本当に助かりました。
私はひとりじゃ何にも出来なくて…」
ミニキッチンで後片付けをしてくれている永瀬さんに声をかけた。
食器を洗いながら、チラリと私の方を見ると
「仕方ないわな、
子供が急に熱出したら誰でも焦る。」
永瀬さんはここへ来てからずっと優しい。
今もこうやって慰めをいってくれる。
何か、そんな優しくされると…
「へっくしゅ…」
あ…
くしゃみをした永瀬さんを見ると、そういえば彼は雨に濡れて来てくれた事を思い出した。
あれから、バタバタして髪も体も濡れたままだったことに気づいて慌てた。
「あの、お風呂入って暖まってきてください。
服も乾燥機があったので乾かせます。」
「いや、でも」
「いえ、今度は永瀬さんが風邪引いてしまいますからっ。」
遠慮する彼を半ば無理やりお風呂まで背中を押して連れていった。
そこまですると彼も“じゃあ…”とお風呂に入ることにしたらしい。
私はそれからもう一度美紅が眠っているのを確認すると、ミニキッチンへ戻って後片付けの続きをした。
「ふぅ。」
洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながら、暫く前から感じている胸のドキドキの正体について考えていた。
そんなね、昨日今日会った人にそんな…まさかね。
ただ、その嫌なやつが意外に優しくてとか…そう!あれだよ。ギャップ萌え的なね。
色恋のときめきじゃな…
「風呂、上がった。」
「きゃあっ!」
突然現れた彼にびっくりして軽く心臓が止まりかけた。
振り向いて、
「きゃあっ」
「いちいちらきゃあきゃあ言うな。」
「な、何で裸なんですかっ。」
そう、振り向いた先にはタオルを巻いて上半身裸の彼がいた。
うるさそうにタオルで頭をゴシゴシする彼は、
思わず見いってしまうくらい色っぽかった。
ふ、腹筋割れてるし。
ちぇっ、田舎男のくせにっ。
なんて、訳のわからない文句を思っていると、今度は…
ーーーーードォーンバリバリバリ。
「きゃあっ!」
またも大きな雷。
そして、今度はそれと同時に…
「え、停電?」
「みたいだな。」
視界は真っ暗。
雷の次に苦手な停電。
「やっ、どうしよ。怖いー。。」
何にも見えなくて、いい年して怖いを連呼。
じっとしてればいいものの、慌ててしまう。
すると、
「いいから、じっとしてろ。」
「んっ………」
小さなランタン型のライトが目の前のカウンターに置かれ、背中からお風呂上がりの熱を持った体に抱き締められる。



