気がついたら叫んでた。
やばっ!みんなこっち見てる!恥ずかしくなって倉庫の裏に隠れる。
自己紹介が遅れました。
私の名前は、「篠田紗羅(しのださら)」。
乙女まっさかりの高校1ねんせー。
中学のころはバリバリの運動系の陸上部に所属してました!
日に焼けた黒い肌、適当にまとめてある一つぐくりの髪…。
乙女とはかけ離れた生活に嫌になり、高校にはいったらセーラーの似合う清楚系乙女でやっていこうと思ったのに!(中学はブラウスでセーラーじゃなかったの)最初からこんなにおかしい子感丸出しだし。そんなこと考えてたら、
後ろから誰かが勢い良く抱きついてくる。
「紗羅〜!おはよっ。ね、校舎前で写真とろっ?」この子は私の親友
「南野舞彩(みなみのまあや)」賢いのに天然で女子力あってThe守りたくなるふわふわ女子って感じ。
「いいよなぁ、舞彩は。先輩からも狙われてんの知ってんだぞ〜」
「そんなことないよー」
「ま、でも、舞彩には白谷くんがいるもんね。ほんと羨ましいかぎりだよ。」
私がそういうと舞彩が顔を赤くする。
「私より、白谷くんと撮っておいで!」
背中をおすと
「う、うん…」
と照れながら走っていった。
「う、うらやましい。」
どこを見てもリア充ばかり。
一人で虚しく歩いていると、部活の勧誘をやっていた。
「ねぇっ!君!陸上部やってたんでしょ?はいってー」看板を持った綺麗な先輩が声をかけてきた。
…何でしってるんだ。
断ろうとすると半端強引に部室へと連れて行かれてしまった。
「あの…?」
「あっ、ごめんね?無理やり連れて来ちゃって。
私のいとこが西中で陸上部なんだけど、あなたがすごくいい選手だって聞いてぜひ、と思って。」
誰だよ、いらんこと教えたのはー?
「あ、待ってて!今キャプテン呼ぶから!」
「えっ、でも」
はいるつもりなんかないのに…。
コンコンッ
ドアをノックする音が響く。
ガチャっ
はいってきたのはさらさらの黒髪、ととのった顔立ち、スラリとでも筋肉のついた足のイケメンだった。
「こんにちは」
低く心地いい声。
目があった瞬間、私は
恋に落ちた。