次の授業は、国語だった。
 あ~、ほんとに、いいのかなぁ? でも、動かなきゃ何も始まらないんだ! 頑張れ、紅~!!
 「えぇ~、教科書の・・・・・・」
 国語教師が来て、板書を始める。
 隣の席の草野は、かっこいい・・・・・・!(いつもだけど)ノート取ってる(当たり前)・・・・・・!字が男の子っぽいし、シャーペンがザ・男子って感じ。字の濃さも、ちょっと濃い・・・・・・かも。あ、草野ってちょっと前髪長め? 目にかかりそう。・・・・・・
 「・・・・・何か顔についてる?」
 「えっ?」
 まずい。じーっと見すぎて気づかれた! まるでストーカーじゃん。
 「な、何でもないよ。あ、あと・・・・・・」
「何?」
 どうしよう。今言っちゃう? 言えない・・・・・・でも、今言わなきゃこれからも言えない!
 私は急いで大好きなアリスの可愛いメモ(大事な時に使おうって決めてるの!)に、「ラインのID教えて」って書いた。
 「これ・・・・・・」
先生に見つからないようにそっと渡す。
 どうしようどうしようどうしよう。本当に渡しちゃったよ~!あああああああああああああああああ~~~!!!
 草野は、メモを見てる。読んでる。・・・・・・ドキドキが止まらない・・・・・・!
 と、草野がメモに裏に何かを書き始めた。IDを書いてくれてるの? それとも、彼女がいるからダメ? 神様どうか・・・・・・!! 彼女がいても、もしラインできたらどんなに楽しい事か!!
 草野がシャーペンを置いて、メモを返してきた。
 ・・・・・・ドキドキ・・・・・・
 『彼女がいるから、ID教えたのは秘密ね。 ID syou_0416』
 ~~! 『彼女がいるから、』ってあるからダメかと思った。ってか、秘密って! 超ドキドキする・・・・・・。ID教えてくれてよかったー! これからバラ色の人生が待っている~!
 今すぐかりんに報告したい。普段なら、何にもなくても『授業だる~い』ってメモを回すところだけど、メモ回してるとこ草野に見られたりしたらなんかイヤだから休み時間まで待とうっと。
 ID、ゲット!!

 「か~り~ん~!」
「なぁに?」
「IDゲット!」
「本当? やったじゃん! なんか紅最近変わったよね。前まではあいさつ一つ出来なかったのに」
「今聞かなかったらこれからも聞けないと思うんだ。・・・・・・へへへ、我ながらかっこいいこと言ったわ」
「ラインするとき、すぐには既読つけないほうがいいよ。3分放置! スタンプは可愛いの送って!・・・・・・」
 それから休み時間中ずーっとかりんの好きな人へのラインアプローチ法伝授が続いた。
 ちなみにかりんは彼氏がいる。ついでに、かりんの彼とのメールも見せてもらっちゃった♪
すごくラブラブしてて、見てるとちょっと恥ずかしいくらい。
 「あ、そうだ紅。もう追加したの?」
「あ・・・・・・してない。舞い上がってて忘れちゃった!」
「追加する前に、プロフィール画像とかホーム画とか可愛くした方がいいよ。今のプロフィール画像、何?」
「えっと、アリスの可愛いの」
「ホントだ。これは可愛い。じゃあホーム画は?」
「えーっと、イルミネーション! このあいだ観に行ったときの」
「きれーい。名前は?」
「ローマ字で、BENIって」
「苗字は漢字で名前はひらがなとかどう? 斉藤べに。好きな人に見られるんだからさ」
「うん、そうする」
 それから、名前登録を変えて草野を友達追加した。