「あとは?この際だから、オレに言いたいこと全部言っておいて?」
かずくんの方からこんなことを言われて、心の底にあるもう一つの不安を思い出すけど、やっぱりなんだか言い出しづらい・・・
「ほら。ないの?」
打って変わった優しい声音で、あたしの体を揺さぶりながら聞く。
「・・・・・・なくは、ないんだけど・・・」
抱きしめていた腕を緩めてあたしの頬を両手で包み込むと、目を合わせて「うん?」と促すけど、さすがに目を見て言うのはちょっと恥ずかしい。
顔にある手を剥がしてあたしからもう一度抱きつくと、ギュッと目をつぶって口を開いた。
「かずくんは・・・あたしと、・・・ないの?」
「なに?」
声が小さくて聞き取れなかったらしいかずくんは、背中を丸めてあたしの顔のそばに耳を寄せる。
「だ、だから・・・どうして、しないの?あたしが・・・子どもっぽくてそんな気にならない、から?」
「・・・・・・っ!」
一時の間を置いてあたしの言いたいことを理解したようで、かずくんは体を強張らせた。
途端に恥ずかしさでいっぱいになって、バッと体を離すとかずくんに背を向ける。
「ご、ごめんなさいっ・・・あたし、なに言って・・・」
鏡を見なくても自分の顔が赤いのがわかる。
顔が熱い。
言わなきゃよかった、と途端に後悔でいっぱいになる。

