さっきまでの満たされた気持ちと相反する不安に揺さぶられながら、かずくんの部屋にやって来た。
聞いてもらうんだ、と意気込んできたはずなのに、いざとなると口が重くなる。
落ち着かないあたしに何かを察してか、かずくんはキッチンへ入るとグラスにオレンジ色の液体を満たして戻ってきた。自分には缶ビール。
「昨日、滉志さんたちとは飲んだ?」
手の中の缶を示しながらあたしに問いかけ、開けたそれを一気に呷る。
「え?・・・あぁ、お酒?うん、一口だけね。あんまり美味しくなかった。」
正直に話すと、かずくんは「そうか」と笑った。
「それは飲みやすくない?どこでも売ってるカクテル缶だけど。」
渡されたグラスを舐めると甘い匂いに混じってほのかにアルコールが香った。
確かにフルーツの味が強くて、まるでジュースのように飲みやすい。
「・・・で、ここのところなんだか冷たかったのはどうしてか、教えてくれる?」
かずくんは口元にちょっと意地悪そうな笑みを浮かべて、でも鋭い視線であたしを見つめている。
まるで紘明さんのよう。
こんなところばっかり似てなくてもいいのに。
あたしは意を決してグラスの中身を半分ほど飲むと、体ごとかずくんの方を向いた。
「あ、あのねっ」

