2人が去るとお店の人がやって来た。
「すみません、騒がしかったですよね?」
かずくんが謝ると、
「いいえ。お気になさらないでください。お祝いは賑やかな方がいいですよ。」
と、最後のお皿をテーブルに置き、「お誕生日おめでとうございます」と微笑んでくれた。
目の前に置かれたプレートには、“HappyBirthday”の文字と花やフルーツでデコレーションされたデザートの盛り合わせ。
「真悠莉、おめでとう。」
「ありがとう。」
1つ疑問が解消したおかげか、デザートの美味しさは格別だった。「今日一番の笑顔だな」と笑われるくらいに。それもまた幸せな思い出だ。
お店を出て車に乗ると、「オレの部屋でいいよな」と言われ、あたしは無言で頷いた。
不安なこと。不安だったこと。全部聞いてもらおう。
車を走らせるかずくんの横顔と、流れる街並みを見ながらあたしはそう思った。

