紘明さんの隣に立つ女の人を改めて見る。
本当に綺麗な人・・・あ、あれ?
「・・・あの、もしかして、青木さん?」
おずおずと呼び掛ければ、笑顔全開で彼女はあたしを抱きしめた。
「キャー!嬉しい!覚えててくれたのねー!相澤っ、まゆりちゃんって本当に可愛いっ!」
やっぱり、青木さんだった。
かずくんの職場で一度会ったあの超絶美女の。髪型が違うだけで、こんなにも雰囲気が違うものなのかと感心する。
突然の抱擁に身動きも取れず、助けを求めるように紘明さんを見上げれば、彼は笑いながら青木さんを引きはがしてくれた。
「ほら、その辺にしとけ。」
えっと、これは一体どういうことなんだろう・・・?
見上げた2人はニコニコしているだけだったから、かずくんに視線を向ける。
テーブルに頬杖ついて苦笑いを浮かべていた彼は、ため息を1つついて口を開いた。
「あー、兄貴の婚約者の青木都和(あおきとわ)。」
「そうなんだ・・・って、えぇっ!?ひ、ひろさんの、婚約者っ?」
色々な意味でびっくりだ。
思っていることを全部口にしたら、紘明さんにどんな制裁を受けるか怖いから言わないけど。
「まーゆー。おまえ、今、よからぬことを思ってるだろう?それより、今日のデートコースはなかなかだろう?オレのアドバイスだからな。」
紘明さんが意地悪そうな声を出してあたしを睨んだから、慌てて首を振って否定しておく・・・何でわかっちゃったかな・・・ちらりとかずくんの方を見れば、彼は笑いをかみ殺して肩を震わせていた。ひどい。
それにしてもそうか、紘明さんが絡んでいたなら、今日のかずくんがスマートに感じたのも肯ける。
そんなあたしたちのやり取りをくすりと笑って都和さんが再びミニブーケを差し出した。
「そうなの。ご挨拶が遅れてごめんなさいね?今日はどうしてもまゆりさんに会いたくて、無理矢理押しかけちゃった。あ、でももう退散するから!邪魔してごめんね?」
今度は素直にそれを受け取る。
「いいえ。こちらこそわざわざありがとうございます。嬉しいです、このお花も、青木さんにお会いできたのも。」
「よかった。これから仲良くしてね。」
4人で微笑みあうと、紘明さんと都和さんは寄り添って店を出て行った。

