うつらふお姫様とちひさき約束


かずくんはいつまであたしをドキドキさせる気だろう??

長い片思い?
パパはお兄ちゃんの気持ちを知っていた?
あたしの知らなかったことがどんどん出てきて、目眩がしそうだ。

「おにい・・・かずくんは、いつから、あたしのこと・・・」

恥ずかしいこと聞いてるなという自覚はあるけど、お互い顔が見えてないからと勢いに任せて口にしてしまった。

「んー、いつからだと思う?」

片手はお腹に回したまま、もう片方は髪を指に絡めているかずくんはえらくご機嫌だけど、あたしは何を言っても自惚れているようで質問に答えるのは憚られるし、そんなことよりぴたりと密着するかずくんを意識せずにいられなくて落ち着かない。

「まゆは?まゆはいつからオレのこと意識しだした?」

あたしが答えないからか、かずくんは質問を変えてきた。

「それは・・・お兄ちゃんが、あたしに黙って引っ越しをしたあと・・・」

「あぁ、あの頃からかぁ。じゃぁ、離れたことは無駄じゃなかったわけだ。」

あたしの背中で含み笑いを漏らしながら、かずくんは続ける。

「まゆが中学生になった頃からかなぁ・・・生まれたときから見てたのに、ある日気付いたらなんだか知ってるまゆじゃなかったんだよ。ふとした仕草とか雰囲気が、今まで見てきた無邪気な子どものまゆじゃなくて、“女性”だった。」

あたしは黙ってかずくんの言葉の続きを待つ。