「っ・・・!」
限界っ!
体が全部、心臓になったみたいにドキドキして、顔に熱が集まっていくのを感じる。
もちろんお兄ちゃんの顔なんか見られなくて。
足の力が抜けて、ずるずると洗面所の床に座り込んでしまう。
何がどうしてこうなった・・・?
あたし、今、どうなってるの?
あぁ、もう、わけわかんない・・・
「涙、止まったな・・・。」
あたしの前にしゃがみ込んで優しく頬を撫でながら、お兄ちゃんはホッとしたように呟いた。
ペタペタと自分でも顔に触れてみて、「本当だ」なんて思ったのも束の間。
お兄ちゃんはあたしをひょいと肩に担ぎ上げるから、あたしは再び慌てた。
「え?え?おろして、おろして?」
「落ちるから暴れなーい。」
再びリビングに戻って、ソファにおろされるとお兄ちゃんも横に座る。
「はぁー・・・」
ソファに落ち着くとあたしは思わず大きくため息をついた。
「なんだよ、ため息なんかついて。」
お兄ちゃんはあたしに向き直るとあたしの体を抱き寄せ、髪を撫でる。
とっさに体を離そうとするけど、お兄ちゃんはそれを許してくれない。
昨日まで・・・いや、ついさっきまでほぼなかったスキンシップ。
突然始まった上に密着度が激しい・・・。
お兄ちゃんが体のどこかに触れる度、あたしはまだ幸せよりも緊張しまう。
「は、初めてのことが多すぎて・・・びっくりしてるというか、疲れちゃったというか・・・も、もちろん、嬉しいんだけどっ・・・ねぇ、ちょっと多く、ないですか?」
「なにが?」
「なにって・・・」
言い淀むあたしの頭の上でお兄ちゃんが笑った。・・・気がする。

