お兄ちゃんの目的がどこのお店なのかわからないけど、あたしはお兄ちゃんと一緒ってだけで幸せで。
お兄ちゃんが手を繋いでいてくれたから、安心しきって並ぶお店に目移りさせる。
「あっ」
「ん?どした?」
急に立ち止まったあたしに腕を引かれる形でお兄ちゃんも足を止める。
「あそこのお店、ちょっと見てもいい?」
一軒のお店を指さしてお兄ちゃんを振り返れば、お兄ちゃんは「いいよ」と頷いてくれた。
なんとなくママ好みの雑貨屋さん。
店内を一周したところで見つけたのは優しい色合いの膝掛け。手触りもいい。
近くにはお揃いのマフラーもある。
「ねぇ、これ、パパには変かなぁ?」
マフラーを指さしてお兄ちゃんに聞いてみると、お兄ちゃんはそれを手にとって自分の首元に当てた。
「滉志さんに?んー・・・いいんじゃないか?」
「ほんと?ママにはこっちの膝掛け。あ、色違いにしようっと。」
プレゼントと言うには安い買い物。
本当ならお小遣いじゃなくてアルバイトでもして得たお金で買うのがいいんだけど、残念ながら未だにすねかじりのあたし。だから、値段じゃなくて気持ち重視にした。
プレゼント包装してもらうと、お兄ちゃんはそれをあたしの手から奪って、さらにあたしの手も取る。
「軽いから大丈夫なのに。」
「まゆ、ふらふらしてるから、帰るまでに潰れそうだし?」
そう笑いながら、お兄ちゃんはあたしの手を引いて再び歩き出した。

