「・・・それが、相談?」
「うん。」
どう?と横目であたしを見てるお兄ちゃんがいつも以上にかっこよく見えて、ドキドキしてしまう。あたし、今日おかしいな・・・。
「いいけど。」
「よしよし・・・」
はぁっと小さく息をついたお兄ちゃんがホッとした様子で口元に笑みを浮かべて、あたしの頭をポンポンと撫でた。
「オレ、その日は昼には上がれるから、そのあと迎えに行くよ。そのとき連絡入れるから、待ってて。」
立ち上がってカレンダーの前に行き、祝日に「まゆ」と書いている。
そんなこと一度もなかったのに。
あたしも鞄から手帳を取り出し、同じ日に「お兄ちゃん」と真似てみる。
書き終えてその文字を見つめる。
指でなぞってみる。
あ。
これって。
デートの約束みたいだ・・・
そう思ったら、キュンとしちゃって、幸せが溢れて来ちゃって、自然と笑みが零れた。
ふふふ。
「ん?なに?」
あたしの笑い声が聞こえたのか、お兄ちゃんが振り返って聞いた。
「なんでもないよ。」
そう言うけど、あたしの顔からは笑顔が当分消えそうもない。
「まゆがご機嫌なら、なんでもいいけどな。」
お兄ちゃんも笑顔だ。
いつもより柔らかい、温かい笑顔。

