うつらふお姫様とちひさき約束


画面には“お兄ちゃん”の文字。
また何かあったんだろうか?と思いつつ、さおに「ちょっとごめんね」と断って、通話ボタンを押した。

「もしもし?」

『あぁ、まゆ、昨日はありがとな。』

電話の向こうでお兄ちゃんが微笑むのがわかった。
見えていないのに、みえる。

「ううん。役に立てて良かった。・・・今日も何かおつかい?」

あたしも自然と頬が緩む。
あたしの表情も、お兄ちゃんには伝わっているだろうか・・・
黙っていてもあたしの気持ちまで伝わったらいいのに。

『今日、帰り寄れるか?ちょっと相談があるんだけど。』

「あたしに?」

『そう、まゆに。』

「ふーん?・・・わかった。じゃあ、あとで。」

『あぁ、待ってる。』

じゃあ、とあっさり電話が切れ、まだ仕事中だったのかな、とあたしは小さく笑った。