外に出たらきれいな夕焼けだった。
あたしは結構長い時間腑抜けていたみたい。
「おにいちゃん、ごめんね・・・」
ハンドルを握るお兄ちゃんはちらりとあたしを見て「何が?」と聞いた。
「お休みの日に、なんか巻き込んじゃって?」
何事もなく、いつも通りの一日だったら、今日はお兄ちゃんの部屋には来なかったかもしれない・・・
「ははっ・・・まゆが来るのはいつも突然じゃないか。」
お兄ちゃんは何とも思ってないように笑った。
「っ!そんなこと・・・あるね・・・ごめん。」
考えて思い当たって、あたしの声はだんだん小さくなる。
お兄ちゃんは笑いながら「いいんだよ」とあたしの頭を撫でた。ゆっくりと。
車のスピードが落ちて、静かに止まる。
赤信号。
「まゆ。」
穏やかないつものお兄ちゃんの声。
お兄ちゃんの方を見れば、お兄ちゃんの視線は前を向いたままだった。
「まゆ、オレは心配だよ。きっと、まゆ自身より、まゆのことを心配してる。」
「なにそれ?」
首を傾げると、苦笑いするお兄ちゃん。
「・・・今日みたいなことがこれからもありそうで。でも、オレはいつも一緒にいられないだろう?だから、心配。」
信号が青に変わり、お兄ちゃんは再びアクセルを踏む。
「まゆは・・・から」と何か不本意なことを呟かれた気がしたのだけど、すれ違うトラックの音で聞き取れなかった。
「大丈夫だもん。」
プイッと横を向いて不機嫌を表す。
道沿いのビルの窓に夕日が反射して眩しい。
悔しいけど仕方ないから前を向いた。

