「大丈夫か?」
玄関の扉が閉まって、振り返ったお兄ちゃんがあたしの顔を心配そうに覗き込む。
「え?・・・あぁ、このスカートはもうダメだねぇ。結構気に入ってたんだけど、ぼーっとしてたあたしも悪いんだから仕方ないよねぇ・・・」
あはは、と笑ったらお兄ちゃんは眉間にしわを寄せて、あたしの両手をぎゅっと握った。
「スカートじゃねぇよ。こんなに手が冷たい・・・極度の緊張だ。ごめんな、ここに来たんだろ・・・?」
「・・・うん、でも急に来たのはあたし、だし。新田さんのことも、びっくりしただけ、だし。」
「そう・・・か?」
・・・違うか。
正直な気持ちを言えば。
やっぱり怖かった。見たこともない新田さんが怖いと思った。
そして。
お兄ちゃんが現れたことにほっとしたんだ。
お兄ちゃんが現れて、お兄ちゃんの部屋に入って、もうここに新田さんはいない。そう思ったら心底安堵した。
未だ心配そうにあたしを見つめるお兄ちゃんと目が合ったら、不意に力が抜けてあたしはへなへなと玄関にしゃがみ込んでしまった。
「っ!おいっ!大丈夫かっ?」
お兄ちゃんの手が肩に触れたら、意思とは無関係に涙が溢れてきた。
「こわっ・・・かっ・・・たぁ・・・」

