「まゆ、学校どう?」
定期的に発せられる質問。
お兄ちゃんは相変わらずお兄ちゃんだ。
過保護な、お兄ちゃん。
「んー?楽しいよ。前期試験も頑張ったと思う。」
「そっか。・・・で、彼氏は?」
ほら来た。毎回セットで聞かれるから、いつものように素っ気なく答える。
「彼氏は要らないのー。女の子と遊んでる方が楽しいもん。」
「ふーん。」
もう一言言いたげにお兄ちゃんがこちらを向いたから、あたしは逃げるように立ち上がって、冷蔵庫からプリンを取り出す。
なんとなくお兄ちゃんの隣には戻りづらくて、ダイニングテーブルに座ってプリンを食べることにした。
けれど、黙ってこちらを見ているお兄ちゃんの視線が痛くて、大好きなプリンもおいしさ半減。
「・・・なに?まだ何か言い足りない?」
耐えられなくなってあたしが聞くと、お兄ちゃんは「いや、さ・・・」と視線を外して口を開いた。
「オレも一応男なんだけど、ね?」