仲直りしたものの。

社会人になったお兄ちゃんは滅多に帰ってこなかった!

帰ってきても、何しに帰ってくるのか?というくらい短時間で会えるかどうか。

本当につまらない日々だった。

学校に行けば友達もいたし、それなりに楽しく過ごしたけど。

何かが足りない、そんな感じで。

その何かを補うように勉強して、勉強して、勉強して。








3年後。
高校を卒業し、あたしは大学生になった。

卒業祝い(?)に、と、洋子おばさんはお兄ちゃんの住所を教えてくれた。
「全然帰ってこないから、時々様子を見てきて!」と言って。

教えられたお兄ちゃんの部屋はなんと、家と大学のちょうど真ん中辺り。

おばさんの言葉を口実に、あたしはお兄ちゃんの部屋に遊びに行くようになった。

初めてお兄ちゃんの部屋に行った日、ドアを開けたお兄ちゃんの顔は忘れられない。

あんなに慌てたお兄ちゃんを見たのは初めてだったから。