ハル君は入家 さくらが好き。
ハル君は入家 さくらと付き合っている。

私はハル君が好き。
私は 入家 皐月と付き合っている。


そして……
ハル君は私にキスをした。
入家 さくらが好きなハル君が
入家 さくらと交わした口付けを私にもした。



私は 入家 皐月と付き合っている。
入家 皐月は 私を好きだと言った。




……だめだ、わからない。
……この口付けが私に与えるのは、歓喜か?それとも、動揺か?



……でも、これだけはわかる。
……私はまた、嘘をつかなくてはいけない。入家 皐月に嘘をつかなければならない。


入家 皐月は真実でありたいと言ったのに。
彼は、正直でありたいと言ったのに。
私はまた、彼を裏切らなければならない。