森の迷いグマ

『クマさんは、どこからきたの?家族は?』

 女の子がたずねると、クマさんは寂しそうな顔をしました。

『それは……僕にもわからないんだ。
 気づいたら、この森にいたんだ。
 帰る場所もわからない。家族もいない。
 だから、この森でずーっとさ迷い続けているんだ』

 クマさんには、前の記憶がありませんでした。

 女の子は、自分のことのように悲しくなりました。