『別に今、全部聞こうとは思わん。


じわじわと聞かせてもらうとするよ。


とりあえず、目的だけ教えろ。

なぜここに来た。

なぜこの時代に来た。


なにをするつもりだ』


「それは直々にお姉ちゃんに聞くべきデス。


お姉ちゃん解放するんで聞いてみてくださイ!


あ、そうだ。

蒼竜サマ、顔を見してくださイ」


『?』


不思議に思いながら、リュタに顔を近づける。

すると、リュタがそっと蒼竜の頬を撫でる。


『っ!』


蒼竜が少し顔を赤らめる。


『な、なんだ!?』


「あ、えと…

お姉ちゃんがつけた傷を治しただけデス!


血は止まっていたけど、傷は残っていたノデ!」


『…ありがとう』


そう言って、沙耶から手鏡を借りて覗くと、確かに頬にあった傷が消えている。


「いえいエ。


じゃあ、お姉ちゃん解放しますネ。



スターキャンセル!」