ボールがコロコロと転がっていくのを呆然と見つめる蒼竜。
ピーーーー!
そんな蒼竜の心などつゆしらず、残酷にも試合終了の笛が鳴る。
そして、みんなのため息の音が響く。
「27対29
よって、3年7組Bチーム優勝です」
メンバーのみんなが横に並ぶ。
蒼竜も悟られないように足をかばいながら下を向きながら並ぶ。
ふと視線を感じ、前を見るとソラナが一瞬ニヤリとしたかと思うと、真顔に戻る。
「最後のシュート、何なんですカ?
緊張で震えちゃったんですカ?
腰抜けちゃったみたいでダサかったでス。
蒼竜サンよりもうちの方が強かったですネ。
きっと、みんな飽きれてるでしょうネェ。
春希なんか、ダサいところ見て、更に莉茉サンのこと…嫌いになっちゃったんだろーナ!」
ソラナの最後の言葉がなぜか蒼竜…いや莉茉の心を強くえぐり返す。
「礼」
先生の号令により、みんなは頭を下げ、解散する。



