大体、暴走族界では敵同士なのに好きになるとか…ありえないだろ? り、伊吹さんだって言ってただろ? 敵同士なんだから、好きにならないとかありえないとか。 よく考えたらそうだよな。 俺も一種の感情に流されてただけ。 悪いな」 言い終わると春希は莉茉のことを一瞥して、自分の席に着く。 〝伊吹さんのこと…好きじゃないから?〟 〝敵同士なのに好きになるとか…ありえない〟 〝一種の感情に流された…?〟 莉茉は似たような言葉を今まで言ってきた。 でも、こんなにこの言葉が心に刺さるとは思わなかった。