『じゃあ…莉茉にとって春希くんは大切な人だから…嫉妬したの?

ソラナに…』


沙耶は無言で大きく頷く。


『…たいせつ…な人…』


「とりあえず、明後日の球技大会まで考えてみれば?

球技大会には必ず出ること!


自分でちゃんとそのことについてよく考えること!

絶対にうやむやにしちゃダメよ?」


その夜、莉茉の頭の中で〝大切な人〟という言葉がずっとグルグル回っていたのでした。