「それにしても頬はまだいいとして、肩は結構深いじゃない…。


最近どうしたわけ?


いつもこんな派手じゃないくせに…!


…よし、終わった!

応急手当はここまでね。

明日は病院行くのよ?」


『知らね。

ありがとう。



…おやすみ』



最後の沙耶の質問に答えず、部屋に戻ろうとする蒼竜。


「行・く・よ・ね・?」


蒼竜の怪我と反対側の肩を掴み、珍しく黒く笑う沙耶。


『……』

「ね?」


無言で冷や汗をかく蒼竜と笑顔をさらに深くする沙耶。