遥か上空にある窓代わりの小さな鉄格子が月明かりを差し込ませている


ここはいつもどうりの地下牢

相変わらず存在を世界から抹消され、只の殴り人形となっている

喰うものは残飯らしきものが1日一回、毒らしきモノが入っている水一杯
手は板のようなもので塞がれ、足には鉄球が鎖で繋がれている

要するに運動もままならない状態だ

勉強も娯楽も唯一優しい人だなんてものは存在しない

寧ろすべてが俺の敵だ

ひたすら罵声を浴びせられる中で拙いかもしれないがなんとか言葉を理解した

俺は魔力の代わりに理解力、情報力、暗記力、運動神経など身体や強化する方、又は脳の判断力へ変換させられたらしい

身体能力が高いのは嬉しいが欲を言えば魔力の方が欲しかった

だってそうだろう?
魔力さえあれば俺はこんな生活を過ごすわけがないからな

全く皮肉なもんだ

こっちも好きで魔力なしとして生まれたかった訳じゃねぇのに