「ユズキ先輩の髪って、もしかして地毛ですか?」
駅前のスタバでテスト勉強をしようと言ってきたのは、入家君だった
「そうだよ、実は地毛なの」
「光に当たると透き通るんですね」
わたしの髪は普段は焦げ茶色だが
ひかりに当たると明るくなる
「入家君は、それ、染めてるでしょ?」
わたしは入家 皐月の栗毛色の髪を指差した
「わかります?」
「そりゃあ、わかるわよ、頭軽そうだもん」
皮肉たっぷりに軽口を叩く
学園の皇子を侮辱する女なんて
わたしだけだろうなあ、なんて思う
「……ユズキ先輩って時々、刺々しいですよね……
先輩ぐらい茶色いと、染めてるって言われません?」
呆れた顔の入家君は
なんとも気だるげだ
「うん、先生とか勘違いしてるかも」
「地毛登録しないんですか?」
「……そのさあ、地毛登録ってなんなの?髪の毛提出すんの?」
「……先輩、本気で言ってます?」
コーヒーから顔をあげた入家 皐月はギョッとした顔をした
まんまるお目は飛び出しそうだ
ふーん、皇子もこんな顔するんだあ……
「はあっ?本気のホンキ、大真面目だよ」
「……先輩って、実は馬鹿なんですか?」
……ほんと、むかつくガキだ
目が笑ってるぞ……

