気持ち良さそうな彼女をしり目に、あらかたの仕事を片付けて一息付いたときだ。

神崎「おい」



!!!



この人はいつもいきなり




『わっ!びっくりした。起きてたんですか?』


カップを眺め、タバコに火をつけた彼女は続けた。



神崎「起きてたんですかじゃないだろ。なんだこの冷たいコーヒーは。ホットって言っただろうがこの間抜け黒須!!」


寝起きの悪さは折り紙つきで
乱暴にカップにてをかけた。

ここからはスローモーションで
ご覧いただきたい。


彼女の手を離れたコーヒーカップは美しい放物線を描いて僕の額を着陸地点と決定したようだ。



・この頼んだコーヒーさえろくに用意出来ない出来損ないのバカが黒須 史也だ。



凄い勢いで投げつけられたコーヒーカップはもはや凶器である。そしてあの人の本性も狂気そのものである…(恐怖)



だが恐れることはない。ここで働きはじめてからというもの、動体視力、運動能力、危機察知、危険回避能力、この4つのステータスは既にAランクに達している。と自負している。

もちろん半分は彼女の側に居ることが多い自分が、平和に日々を過ごしきるために身に付いたというのは言うまでもない。