入学式から1ヶ月が経ち、クラスの雰囲気に少しずつ慣れてきた時期。

先生『再来週の遠足の班決めとバス決めを学級委員よろしく。』

俺のクラスは要が学級委員となり、クラスをまとめている。

要『まずは、班決めからやりましょう。まずは女子と男子に別々に2?3人組になって、後から男女の班を考えますので組んで下さい。』

要の合図で女子は女子で固まって、男子は男子で固まって班決めをしている。

要『陽太は僕と一緒で構いませんか?』
「当たり前だろ。でも、木陰が違うクラスなのは誤算だったな。」

要『寂しいですか?最初はあんだけ嬉しそうだったのに…。』

「違う!アイツがいれば女子をどうにかしてくれるだろ…。なんで、男女混合班じゃないといけないんだ…。」

要『そういうことですか。ですが、これは親睦を深めるための行事なので仕方ありません。』
木陰とは別のクラスで俺と要は1組、木陰は5組で大分離れた。でも、昼休みとかは必ず絡みに来る。

要『では、今度は組んだ女子と組んだ男子でペアを組んで下さい。』

要の指示で女子はほぼ俺と要の方に視線を向けた。その視線がすごく怖い…。

「要、何かすごく怖いんだけど…。」

要『まぁ、予想範囲内ですが…。』
俺と要が話してる中、女子の間で火花を散らしてる。

チェリー『陽太って女子苦手なの?』

「ん?…うわぁっ!!?」

俺のいきなりの声にクラス全員が俺に向く。

要『いきなりどうしたんですか?』

「あっいやいや。何でもねぇよ!あはは…。」
チェリー『そんなに驚かなくてもいいじゃない!!』

「いきなり出てくんじゃねぇよ。てか、ついて来てたのかよ。」

俺は周りに気づかれないように小さな声で答えた。

チェリー『今来たの(^∇^)ちょっと桜の木見に行ってた。』

「別に来なくていい。はぁ…。で?何?」

チェリー『陽太は女の子嫌いなの?』

「あぁ。女子は恐ろしい生き物だ…。」

俺は過去のことを思い出し、ブルーゾーンに入っていく。あぁ…遠足だるいなぁ…。
桃山は俺たちを一緒の班に誘った。他の人と組むよりはマシかなぁと思い承諾して何とか収まった。
放課後、いつも以上にテンション上がった木陰がクラスにやってきた。

要『木陰、仕方ないから聞いてあげます。何かあったんですか?』

木陰『そうかそうか聞きたいか!!あのな?俺のクラスにすげぇ美人な子が居るんだけど、その子と一緒の班になったんだよ!』

俺と要はハイハイと聞いていた。要は部活があるからと木陰から逃げた。俺は、帰りもその美人の話を聞かされた。
俺は自分の家に着くと疲れてすぎて、ゲームせずに終わった。翌日には要にドンマイ顔され、ついに遠足前日になってしまった。

「はぁ?_| ̄|○」

チェリー『陽太、大丈夫?そんなに遠足嫌なの?』

「嫌だ。魚見ても面白いとは全然思わないね。何で遠足で水族館なんだよ。ほぼバスじゃねぇか!」

チェリー『えっ?水族館ってお魚いるの?』
「お前、水族館知らないのか?水族館は海にいる魚を展示しているところなんだよ。俺は魚見るより家でゲームしてたい…。」

チェリー『すご?い!私行きたい!!』

あぁ…そうなるよなぁ…。余計行きたくねぇ…。要には絶対来いって言われるし、無視すると要の説教長いし…。もう…どうにでもなれ…。_| ̄|○|||。


そして遠足当日。
木陰『陽太??(*゚▽゚*)おはようさん!』

「……。」

木陰『おいおい…。要?陽太魂抜けてんぞ(^^;)』

要『すごく休みたがってましたからね。相当遠足が嫌なんですね。』

木陰『陽太の場合は男子だけのグループだったら普通だったんじゃねぇか?』

チェリーは目を輝かせて歌ってるし。バスの時間は要と会話したり、ゲームしたりして楽しかった。この時間がずっと続けと思った矢先に着いてしまった。

女子y・z・奈々『海??!!』

「おい…慌てて走るとコケるぞ…。」

女子y『えっ?きゃっ!』

「おっと…。ったく…言ったそばから…。」

女子y『木之本くん!ご…ごめん。』

「大丈夫か?」

女子y『う…うん大丈夫。ありがとう。』

女子z・奈々『y、顔真っ赤…。』

女子はすごくテンションが高い…。要には優男とかからかわれるし…。

チェリー『ねぇ、陽太。これが海…?』

「そうだけど、どうした?」

チェリー『すご?い!!海初めて見た!!広い!』

どきっ!
チェリーは海を見て、嬉しそうな顔を見せた。でも、何故チェリーの嬉しそうな顔でどきっとしたのだろうか。

要『陽太、さっきから1人で何をブツブツ言ってるんですか?』

「えっ?あ、何でもない…。」

チェリーはみんなには見えてないらしい。

木陰『よっ!陽太、要!』

要『木陰じゃないですか!どうされました?』
木陰『お前らに会いに来たんだよ!悪いか!』
「てか、お前班 はどうしたよ!」

木陰『あっ!そうそうここにいるよ!』

木陰の後ろから女子3人がやって来た。どうやら木陰が女子を自慢しに来たらしい。

m『初めまして、私、mって言います。』

p『初めまして、私はpっていいます。木之本くんと話せて嬉しいです。』

何故、俺と話するのが嬉しいんだ?あんま喋ってないし。3人目は2人とは違う…多分木陰が言ってた美人な女ってこの人か…。

『初めまして、百合野 理伽(ゆりの りか)です。』

木陰『みんな、可愛いだろ?(*゚▽゚*)』

要『そうですね。海がバックにあると余計に可愛くみえますね!』

女子m・pは要の言葉で顔が真っ赤になった。要、俺から見るとお世辞としか思えないけど…。
百合野『木之本くん ですよね?よく、影山くんから木之本くんの話を聞いて話して見たいと思ったんです。』

「俺?いや、俺よりも木陰と話した方が面白いと思うよ?木陰はいい奴で話してて飽きないし。」

百合野『はい。でも、木之本くんは周りをちゃんと見てくれて、はっきり言ってくれるのはすごくいいなぁって思ってます。』

「そうか。ありがとう。( ^∀^)」

俺がお礼を言うと、女子3人が顔を真っ赤にしていた。そして地引網が始まり、チェリーも一緒に縄を引っ張る姿を見て俺は我慢できずに笑った。俺の周りにいた女子は真っ赤に顔を染めて、男子はその顔やめろとか言われて、パンチをくらったが交わした。

女子p『ねぇねぇ、聞いた?さっき地引網で木之本くんが笑った顔がすごい爽やかでかっこいいらしいよ。』

女子m『普段はクールでかっこいいけど、爽やかな感じもかっこいいって最高じゃん!いいなぁ?1組の女子…。ねぇ、理伽!』

百合野『はぁ?。私も1組が良かったな。』

女子m『理伽、もしかして木之本くんに奪われちゃった(=^▽^)σ?』

女子p『理伽なら平気でしょ!美人だし、アタックすれば木之本くんでもイチコロだよ!』

木陰『何々?盛り上がってるね?。何の話?』
女子m・p『内緒??。』