あっという間に夏休みが終わり、2学期が始まった。翼は俺らと同じ高校に入り、木陰と同じクラスで、この高校でもサッカーを続けている。翼はすぐに周りに馴染み、気づけば女子からの好かれていた。

そして木陰は、翼が女子と仲良くなって行くのを見て拗ねていた。
毎日のように言われるので疲れる…。

木陰『あっ!そう言えばさぁ、陽太ってどうやって桜ちゃんと知り合ったわけ?』

「っ!ゲホゲホッ!い、いきなり何を言いだすんだお前は!」

木陰『そんなびっくりすんなよ。だって気になるだろ?要も俺も知らないし。』

「そんなのどうだっていいことだろ!」

要『ですが、陽太にしては珍しいですよね、未だに百合野さんのことも覚えてないのに。』

「百合野?誰だっけ?」

木陰『はぁ!?お前、理伽ちゃんに毎日声かけられてるのにまだ覚えてないのか?』

「…あ、ああ。あの、しつこい奴か。てか、百合野って言うんだ。へぇ…。」

木陰『お前なぁ…。』

昼休みの予鈴が鳴り、チェリーの知り合ったことを言わずに済んだ。

午後の授業はHRで体育祭のメンバー決めが始まった。体育委員の進行が上手く、メンバー決めはすんなり決まり、練習をやり始めた。

そう言えば…チェリーがあまり学校に来なくなった。最近、帰っても寝ていてあまり話せていない。

要『陽太、どうかしました?』

「え…?あ、なんでもねぇよ?ちょっと日差しが痛くてやる気が失せてる…。」

要『夜更かししてるからでしょう』

いつものように要に突っ込まれた。

体育祭になると要は燃えるからなぁ。
放課後3人とも部活へ行き、俺はいつものように1人で音楽を聴きながら帰った。

チェリー『陽太、おかえり(^-^)』

「おう。体調大丈夫か?」

チェリー『うん、大丈夫だよ(*^o^*)眠いだけだから。』

「体調悪い時はちゃんと言えよ?」

チェリー『うん』

チェリーは笑顔で出迎えた。今日は体調良さそうに見えてホッとした。

チェリー『今日の学校はどうだった?楽しかった?』

「今日は体育祭の練習で疲れた(´ε`||| )」

チェリー『体育祭?』

「体育祭っていうのは、クラスごとにチームを組んで運動能力を競うお祭りみたいな感じだ。」

チェリー『お祭り!?』

「そんな面白いもんじゃねぇぞm(_ _)m」

チェリー『陽太が一生懸命やってる姿がみたいだけ…(*´?`*)』

チェリーは体育祭に来る気満々…話さなければよかった_| ̄|○|||

体育祭当日

チェリー『陽太、頑張ってね*\(^o^)/*』

「はいはい」

俺が出る競技は騎馬戦、借り物競争、綱引き、クラス対抗リレー。綱引きは翼たちのクラス以外には勝つことができ、借り物競争は見知らぬ女子が勝手に持ってきて一位とれた。
午前中は翼たちのクラスがダントツトップをとり、俺たちは4位だった。

木陰『め?しめし!めし♪』

要『木陰の元気の良さにはびっくりです。』

陽太・翼『「だな!」』

木陰『要?4位だからって拗ねるなよ。』

要『拗ねてませんから』

チェリー『陽太、お疲れ様(^-^)』

「サンキュ(^-^)てか、今回は妖精の姿なんだな。」

チェリー『あ、うん。結構人間の姿は体力使うから(^^;)』

チェリーは申し訳なさそうにしていた。俺はチェリーの頭を撫でて応援のお礼をした。

翼『陽太、さっきから何1人でぶつぶつ言ってんだ?』

「えっ?!あ、いや…なんでもない。」

要『どうせ、家に帰りてぇってぶつぶつ言ってるんじゃないですか。』

「そうそう。ヲタクには陽射しは天敵なんだ。」

翼『あっ!わかった。木野が来てくれてないから拗ねてるんじゃねぇ?』

要・木陰『なるほど』

「何、納得してんだよ!俺は別平気だ。」

そして午後の部が始まり、騎馬戦で勝利を勝ち取り最後のクラス代表対抗リレー。

要『皆さん、全力で行きましょう』

4人『おお?』

「ちょっと待て!要、何で俺がアンカーになってるんだ?」

要『元々じゃありませんか。』

「元々じゃねぇ!俺は真ん中だったじゃねぇか!」

要『カッコよく決めてくださいね!』

「このやろうm(_ _)m」

トップバッターは要だ。ダントツで次に回した。トップバッターとアンカーはグランド一周で間は半周だったから俺は中間選んだのに。

チェリー『陽太、頑張って!』

『木之本!!』

「任せろ!」

要がダントツで次に回したが途中で翼に抜かされ俺たちは2位、トップのアンカーは木陰。俺は必死に木陰の差を縮め、半周で並んだ。

要『陽太?一位とったら一緒に対戦してあげますよ?(^-^)』

チェリー『陽太?ゴールで待ってるから(*´?`*)』

「えっ!!マジで!?かなめ?約束だかんなぁぁぁぁo(`ω´ )o」

俺は一気に木陰を抜き、圧倒的な差をつけてゴールを決めた。そして2年、3年も俺らのチームがダントツを決め、今年の体育祭は俺たちのチームが勝利を決めたのだ。

木陰『マジかよ?!絶対俺たちの圧勝だと思ったのに』

要『俺たちは後半に発揮するチームなんですよ。』

翼『リレーは俺から引き離したと思ったんだけど、木陰が陽太に抜かれるとはね』

木陰『要が余計なこと言うからだろ!』

要『木陰!しっ!』

木陰『は?』

「あっそう言えば、約束通り今月の休みは俺とゲーム三昧だからな!」

要は顔が青くなり、休日は約束通りゲームの対戦相手になってもらったm(_ _)m

「要、弱っ!本気出せよー。」

チェリー『陽太、陽太!要くん灰になってるm(_ _)m』


チェリーに言われ、要を見たらミイラ化のようにげっそりしている。

「……。ったく!だらしねぇな!気分転換に違うゲームやるか!」

要『ま、まだやるのか!?』

チェリー『陽太、これなら要くんやってくれるよ!』

「そうだなぁ。これやるか!」

要『もう勘弁してくれ…。』

要は敬語すら消えるほど疲れ切っていた。俺は無理やりコントローラを渡し、電源をつけた。

要『脳活?なんですか、このゲームは…。』

「脳の能力を競うゲームだよ!これなら要喜ぶんじゃねっ的な。」

要『おぉ?!!こんな便利な勉強ゲームがあるんですね!やりましょう!!』

要が生き返った…。俺はこの時、3時間後には脳活を選択したことを後悔する。

3時間後…

要『さぁ!今度はこれやりましょう!!』

「お、おい、要。そろそろ…」

要『まだ、始まったばかりです!さぁ、次行きますよ!』



そして、最終的に灰になったのは俺でした。

「zzz」

チェリー『陽太のリレー凄くカッコよかった…。陽太のそばにいれるのもあと少し…』