「ただいま。」

翼『おかえり。どこ行ってたんだ?』

「ちょっと、コンビニ。」

チェリー『お邪魔します。』

翼『えっ…?君、誰?』

チェリー『私は陽太の友達のチェ…あっ木野 桜っていいます。よろしくお願いします。』

翼『陽太、意外に抜け目ねぇな…(´ε` )』

「ちげぇよ!友達だっていってんだろ!」

はぁ〜。絶対勘違いしてるなコイツ…。まぁ、俺が女子を家に入れることはないから要たちも同じ反応っていうか、木陰がうるさそう(-△-lll)

ガチャッ!

『こんにちは(*^^*)』

翼『え…。母さん?!!どうしたの?!』

母『陽太が私に着付けして欲しい子がいるから来て欲しいって電話もらったのよ』

翼『陽太が?』

母『着付けして欲しい子はその子ね(*^^*)陽太の彼女さん凄く可愛いわねぇ(^ ^)』

「彼女じゃないから!!友達だから!」

翼『そんな照れんなって(*^^*)』

「照れてねぇよ!」

母『それじゃ、着付けしましょうか。』

チェリー『ありがとうございます』

チェリーside

チェリー『あの…今日はわざわざ遠くからありがとうございます。』

母『いいのいいの!気にしないで(*^^*)あなたのお陰で陽太の顔も見れたし逆にお礼しなきゃね(^ ^)』

チェリー『そんな!着付けでも悪いのに…お礼までは…。』

母『いい子ね( ´∀`)でも、感謝してるのは本当なのよ!陽太は滅多に頼ってこない子だから、嬉しいのよ私を誘ってくれたことが…。』

チェリー『じゃあ、着付けがお礼ということで(*^^*)』

母『ありがとう。陽太の彼女があなたで良かったわ( ´∀`)陽太は我慢して、自分の気持ちを閉じ込めちゃうから…あなたには気持ちを伝えてるみたいだしね』

陽太のお母さんはずっと気づいてたんだ、陽太がずっと我慢してたことを。やっぱり、家族って凄いなぁ。

母『はい!着付け終わり!ほら、鏡みてごらん?』

チェリー『わぁ〜(°▽°)変身したみたい…』

母『よく似合ってるわ!桜模様が凄く貴方とぴったり!』

チェリー『陽太たちに見せてくる!』

私が部屋を出ようとすると、陽太のお母さんが私を引き止めた。

母『ちょっと待って!まだ、終わってないのよ!』

チェリー『え?』

私を椅子に座らせて、メイク道具を取り出した。陽太のお母さんに任せて、おとなしくした。

母『メイク終わり!あとは、これをつけてっと…出来た!!』

私は再び鏡をみて興奮した。私が生まれ変わったみたいに綺麗でそれに…。

チェリー『このヘアピン…。』

母『さっき陽太があなたにって渡されたのよ。』

チェリー『陽太が…?』

これは浴衣買いに行く前にデパートで気になっていた桜のヘアピン…。陽太…どうして気づいたんだろ…。

母『今日は思いっきり楽しんできなさい(^ ^)陽太もあなたの楽しんでるところを見たいはずだから。ね!?』

陽太のお母さんは、陽太を呼びに行くと言って部屋をでた。

陽太・陽太のお母さん、素敵な思い出になりそうだよ。ありがとう( ;∀;)

チェリーside end

ガチャ!

母『陽太、終わったわよ!迎えに行ってあげなさい。部屋にいるから。』

「は?一緒に降りてくればよかっただろ?」

母『あの…ちょっと泣かせちゃって…。』

「はぁ?何か言ったのか?」

母『あなたに陽太は似合わないわって言ったら泣いちゃったのよ…。』

「桜は友達だって言ったろ!俺の友達を泣かすな!!」

俺は急いで部屋に向かった。部屋に入るとチェリーの目が潤んでいた。

「チェリー、大丈夫か?」

チェリー『大丈夫…。』

「俺の母さんが酷いこと言ってごめん!」

チェリー『え?酷いこと…?』

「え?母さんに酷いこと言われて傷付いてたんじゃ…。」

チェリーに話を聞くと、母さん は酷いことは言ってないらしい、俺は母さんに騙された。
チェリーに向き直すと浴衣姿のチェリーが目に入った。

「あ…。その…それ…」

チェリー『浴衣着れてよかった。それと陽太、このヘアピンありがとう(*´∇`*)』

「なっなんで知ってんだ!!あっいや…そうじゃなくて…その…だからその…」

チェリー『陽太のお母さんから聞いたの。陽太がくれたって。』

「ったく!母さん余計なことを…。」

チェリー『どうかな?この浴衣…。』

「っ!!どうって…。」

可愛いに決まってんだろ!!ったく調子狂うm(_ _)m
俺はよくわからない気持ちに戸惑いながら、要たちと待ち合わせをしている神社に3人で向かった。

木陰『あっ!陽太〜翼〜!!』

翼・陽太『「相変わらず、元気だな〜。」』

要『そのリアクション飽きました…。』

俺たちが会話をしていると、木陰が俺の背中を除き込んだ。俺の背中にはチェリーがいる。

木陰『おおお!!可愛い!!陽太、この子誰!?』

「うるさっ!この子は俺の知り合いの木野 桜俺らと同い年だよ。」

要『陽太にも女性の知り合いがいたんですね。意外にやりますね!』

木陰『陽太、俺を差し置いて彼女先に作りやがって!!このやろおぉ!』

「ち・が・うから!!知り合いだっていってんだろ!!」

木陰『怪しい…。』

翼『ψ(`∇´)ψ!じゃあ桜ちゃん、俺と2人で祭りまわらない?』

チェリー『え?でも…。』

翼『いいじゃんいいじゃん!ほら、いこ!』

チェリー『え!?あの、ちょっと!』

パシッ!

「やめろよ!嫌がってんだろ(๑•ૅㅁ•๑)」

翼『ぷっ(^з^)あははは!!(≧∀≦)』

「笑い事じゃねぇだろ!?」

翼『悪い悪い!陽太の真剣な顔見てたら、どれだけ桜ちゃんのことを考えてるかわかっちゃって…。桜ちゃん、からかってごめんね( ´∀`)』

チェリー『ううん(^-^)大丈夫(*´∇`*)』

俺はまた騙されたことに気づいて俺は頭を抑えた。祭りに行こうとすると、木陰が俺たちを引き止めた。

要『どうしたんです?』

木陰『いや、実は…。』

『ごめんなさ〜い!』

木陰『あっ!理伽ちゃん(//∇//)!』

百合野『待たせちゃった?』

木陰『大丈夫だよ。俺たちも今集まったばっかりだから…。』

俺たちは木陰に話を聞き、百合野も一緒にまわることになった。

百合野『えっと…その…木之本くんのそばにいる子は?誰…?』

木陰『あぁ、陽太が好きな木野 桜ちゃん。』

「木陰、ちげぇって言ってんだろ!友達だ友達!」

木陰『ムキになんなってψ(`∇´)ψ』

俺は木陰の頭をグリグリとねじりあげた。木陰と騒いでると百合野が俺の腕を掴んでかき氷が食べたいと言って、連行された俺。

百合野『ごめんなさい。私のせいで迷っちゃって…。』

「気にしなくていい…。ほら、行くぞ!」

百合野『え…?』

「かき氷…食べたかったんだろ?」

百合野『いいの?』

かき氷の屋台に行こうとした時、百合野が転びそうになったので支えた。百合野は俺のシャツを掴んだ。
かき氷を買い終わった俺たちはみんなのところへ戻った。

木陰『あ!帰ってきた!』

要『いきなり離れるなんてだめですよ!』

百合野『木之本くんは悪くないの…。私がかき氷食べたくて…ごめんね。』

木陰『いやいや、理伽ちゃん気にしなくていいよ!かき氷…買えた…?』

百合野『う、うん…。木之本くんが買ってくれて…(*´꒳`*)』

木陰『え、あ…よ、よかったね…(^^;)』

百合野『う、うん(#^.^#)』

木陰は複雑そうに百合野を見てから、俺を睨みつけた。俺は何で睨んでるのか分からなかった。周りを見るとチェリーの姿がないことに気づいた。

「おい、チェリーじゃなくて桜はどこだ?」

要『え?』

翼『あれ?さっきまでいたんだけど…。』

木陰『何かさっきお前を探しに行くって言って行ったぞ。』

「は??お前、それで簡単に行かせたのか?こんな人混みの中に女1人で?」

木陰『見つからなかったら戻ってくるだろ?何、怒ってー。』

バシッ!!
俺は頭にきて木陰を殴った。1人で行かせる木陰が許せなかった。チェリーはただでさえ…。

木陰『な、何すんだよ!!』

「それでも男か?要、俺はチェリーを探しに行くから後はお前らで楽しんでくれ!」

要『そんな空気ではありませんが、わかりました。』

百合野『私も一緒にー。』

「俺1人で十分だ。」

俺はチェリーを探したが見つからない。俺はチェリーのことが心配で心臓がちぎれそうだった。

チェリー『陽太…あの子とまだ一緒にいるのかな…。』

男a『ねぇ、君。1人?』

チェリー『あの…人探してて…』

男b『そうなの?可哀想…。俺たちが探してあげる。』

チェリー『本当?!ありがとう(*´∇`*)』

男a『それじゃあ行こうか!』

男はチェリーを連れて人気のない神社の後ろに誘導した。

チェリー『あの、ここは誰もこないよ…。』

男a『可哀想な君と楽しいことしようと思ってね。』

男b『君は俺たちに体を任せてくれればいいよ。』

チェリー『ちょっと…やめて!』

男たちはチェリーの肩を掴んだ。チェリーの口を塞がれた。

チェリー『ぃゃ…』

男a『誰もこねぇよ!』

男b『君がのこのこ着いて来ちゃうから悪いんー』

バシッ!バシッ!

男a『いってー。な、何すんだ!!』

「はぁ??てめぇらこそ…何してんだよ?」

男b『て、ててめぇに関係ねぇだろ!』

「はぁ?俺の彼女襲おうとして関係ないとは笑わしてくれるなぁ?生きて帰れると思うなよ?」

男a『ちっ!行こうぜ』

男b『あぁ』

男たちは戻って行った。チェリーを見ると体を震わせて泣いている。俺はチェリーを抱きしめた。

「チェリー…悪い…。恐い思いさせて。」

チェリー『陽太ぁぁぁ.°(ಗдಗ。)°.』

俺は許せなかった自分自身に…。チェリーを1人にさせた自分が…チェリーは初めての祭りなのに…。

チェリー『助けてくれてありがとう.°(ಗдಗ。)°.』

「落ち着いたか?」

チェリー『うん…。』

「何かされたか?」

チェリー『大丈夫。何もされてない。』

「そっか…。よかった…。」

チェリーは大丈夫と言うけど、その震えた手はまだ怯えてみえた。俺は震える手を握った。

チェリー『陽太…?』

「俺の前では無理すんな!俺がさっきの恐い思いが無くなるくらい祭りを楽しませてやる!!」

そんなことで恐い思いが消えるわけないのに…。でも、今の俺にはこんなことしか出来ないんだ…。

チェリー『あっ!陽太〜見て見て!赤いお魚ぁぁ(*゚∀゚*)』

「それは金魚だ(^-^)」

チェリー『金色じゃないのに金魚なの?』

「ぷっ(^з^)あはは(≧∀≦)」

チェリー『(*´ー`*)?』

「悪い(≧∀≦)俺も前、要に同じこと聞いたなぁと思って(^-^)」

チェリー『そうなんだ(^-^)』

「金魚の由来って昔は、お金持ちの高価なペットとして飼われていたとか、黄金と同じ価値があるという意味でというものもあるらしい。まぁ、要に今度聞いてみ!?要は色々どうでもいいようなことも知ってるから(^-^)」

チェリー『うん!』

俺とチェリーは金魚の話からいつもの俺たちに戻れた。一通りまわった俺は花火を見るためにチェリーを連れて見晴らしのいいところに向かった。

ここは俺しか知らない場所(*´ー`*)

チェリー『わぁ(((o(*゚▽゚*)o)))』

ぴゅ〜〜ドーン!!


「ここは絶景だろ?月と星がよく見え花火も入ると最高なんだ!」

チェリー『すごい…。綺麗…。』

「チェリー、今日は楽しかったか?」

チェリー『うん、すっごく楽しかった(*^o^*)陽太〜いい思い出ありがとう(^∇^✿)』

「( ゚д゚)!!」


俺は今日…チェリーの笑顔に心を奪われた…。
これはきっと花火と綺麗な夜空のせいだと聞かせるように赤面した自分の顔を押さえた。

俺の人生初の恋は桜の妖精でした。