「母さんに聞いたんだ。再婚する話も。」

翼『そっか…。なぁ、ショックだったよな。いきなりそんな話されて。』

「そこまでショックはしてない。聞いた時 はビックリはしたけど、母さんも前を向いて幸せになるんだなぁって思ったよ…。」

翼『おいおい。そんな俺の前では素直になれよ。』

翼の質問に俺は素直に答えてると答えたら、翼の顔色が変わった。

翼『そんなはずないだろ!!だってあんなに母さんも父さんも仲が良かったじゃないか。』

「確かに俺たちの前では仲良かったよ。でも、俺たちが寝た頃に母さんと父さんは口論してたんだよ。」

俺は毎日父さんと母さんが言い争う姿を見て来た。翼はもうその時間は寝てたから気づいてなかった。俺は両親が言い争うたびに抜け出して桜の木で泣いていた。

翼『じゃあ、何で俺に話してくれなかったんだ!昔からそうだよな…。俺には話そうとしない…違うな俺が気に入らないからだな…』

「何言ってんだよ。俺はお前を嫌ってなんかない!」

翼『はぁ?もう、俺の前で嘘はやめろよ!!俺が嫌いだから俺と暮らしたくなかったんだろ!だから、俺とは違う父さんの方に残ったんだろ!』

「何言ってんだよ。違うって…。」

翼『何が違うんだよ!離れてから一度も連絡しなかったのが、何よりの証拠じゃねぇかよ』

翼は走って帰ってしまった。追いかけて家へ戻ったが、翼の部屋には鍵が閉められていた。

チェリー『陽太…。』

「チェリー、俺の選択は間違ってたか?俺は…。」

チェリー『陽太は間違ってなんかない!!私は知ってるもん!陽太は相手のことを考える優しい人だって…。だから、翼くんはきっとわかってくれる。』

「チェリーありがとな。」

俺はいつもチェリーの言葉に助けられる。俺はチェリーの頭を撫でた。夕食を食べ終わった後、散歩しに家を出て神社の桜の木にいった。

「……。俺だって本当は…。」

チェリー『陽太〜!!』

「チェリー!どうした?」

チェリー『だって、黙って行っちゃったから急いで追いかけたんだよ!』

「悪い…。ちょっとな…。1人で少し考えたかったんだ。」

俺とチェリーが話していると、誰かが走って来て俺たちの前に立ち止まった。

『はぁはぁ。やっぱり…お前は、俺が嫌いなんだなっ…。』

「翼!何でここに…。」

翼『お前が来るとしたらここしかねぇだろ…。いつも何かがあるとここにいつも来てたじゃねぇか。』

そういえば、俺が家に帰りたくない時も親に怒られた時、いつも翼が迎えに来てくれた。覚えてくれてたのか…。

「何でもお見通しか…。」

翼『やっぱり…。わかってたよ。お前が俺をいつも嫌ってたことなんて…。』

「ちげぇよ!俺はお前を嫌ったことなんて一度もない。本当は俺だってお前と一緒に居たかった」

翼『嘘をつくなっ!俺が来た途端に、あまり家にもいないじゃないか!!昔からずっと…。いつもこの桜の木に来てさぁ…。』

翼はずっと自分を嫌ってるから家にいないと思ってたのか…。本当は違うのに…。

「違うんだ。ここに来てた理由は翼が嫌いなわけじゃなくて、母さんと父さんの喧嘩が原因で家に帰りたくなかった。」

翼『何だよそれ…。』

「俺は父さんと母さんが口論するたびにここの桜の木に来ていた。だから、離婚と聞いた時は少しホッとしたんだ。翼が母さんにつくと聞いた時は俺も一緒に行こうとしたんだ。」

翼『!じゃあ!俺と一緒にくれば良かったじゃねぇか。俺だってお前と入れればそれだけでいいと思ってたのにお前は、俺と違う父さんを選んだ。』

「でも、俺も母さんと行くと言おうとしたら父さんが凄く弱々しくて悲しそうな顔をしたんだ。俺は父さんをほっとけなかった。だから、俺は父さんといることを選んだ。」

翼『そんなの言い訳だ!そんなの…言い訳』

「じゃあ!どうすれば良かったんだ!お前まで父さんのところに来たら、母さんが今度は悲しそうな顔をするんだ。だったらお前に嫌われても俺が我慢すればいいと思ったんだ。他に何かあったのか?」

翼『俺を甘く見るな!俺はお前の兄貴だぞ?一緒に改善策だって考えられたじゃねぇか!俺たちは双子だろ!!』

「翼…。」

翼『俺は陽太の一緒に居たかったって言葉だけで嬉しいんだ。俺だってお前と居たかった。お前がいないと物足りないんだよ。毎日が詰まらない毎日で。』

今日の翼は凄くカッコよくて兄さんだった。俺は翼のことを勝手に弱いと思ってたのかもしれない。こんなに強いのに。

翼『でも、お前は違った。俺が居なくても暖かい友達がいて俺とは正反対で羨ましい。』

「翼…。」

『じゃあ、父さんのところにこないか?』

陽太・翼『「え?父さん!?」』

父『帰りが遅かったから、迎えに来たんだ。ごめんな…。俺たちのせいでお前らに我慢させたあげく、離れ離れにしてしまって』

父さんは俺たちに頭を下げた。そして俺たちの頭をを撫でた。

父『だから、今度はお前たちのために母さんと話し合って翼を引き取る。翼も考えておいてくれ。』

翼『父さん…。』

父さんは先に家に戻って行ってしまった。俺たちは桜の木を眺めた。

翼『本当に陽太は俺と一緒に居たかったって思ってくれたのか?今からでも一緒に居たいと思うか?』

「本心だ。これからもお前と入れればいいと思う。」

翼『ふっ(^^)じゃあ、決まりだな!』

そして、翼は父さんと暮らすことを選択し、俺たちの兄弟の絆は繋がった。

翼『それにしても…。』

「だな(^^)」




翼・陽太『「他の人からみると危ない関係に見えるな(≧∇≦)あははは」』


俺たちはやっと仲直りすることができた。

これからもよろしく翼…。

双子の兄弟の絆はもっと深く刻まれていく。