紅〜kurenai〜





私にコーヒーを渡し終えた後、この前と同じ向かいの斜め前の3人掛けのソファーに腰を下ろした寛人は忙しそうにパソコンと睨めっこ。




仁人は寝てるし、悠麻は黙々と雑誌読んでるし加賀はこの部屋にはいないし。




先ほどと変わらない静寂が私たちを包む。




彼処での静寂は息苦しくなかった。
むしろ、心地良い時間でもあった。



そんな感覚をここでも味わえるハズがなく、居心地の悪い雰囲気の中時計の針が進む音を聞きながら一刻も早く時間が過ぎるのをただ待つだけである。















どれくらいそうしていただろうか。

一向に私に会わせたいという奴が現れる気配が無い。



いくらここのソファーがふかふかで座り心地が良いとしてもさすがにそろそろ腰にくしまだまだ来そうにも無い雰囲気に、段々と眠気が迫ってくる。


お昼にあんだけ寝たのにまだ眠いなんて異常だと思うが寝れる時に寝ないと私の場合体力が持たなくなる。






ちょうど、座り心地が良いだけでなく寝心地もいいソファーに座っているんだから寝なきゃ損だ。




前向きに考え直し、静かに目を閉じたその時。








–––––––––––バンッ








今まで私たちを包んでいた静寂をぶった切るようなすごい勢いで入口の扉が開いた。







寝ていた仁人も、雑誌を読んでいた悠麻も、パソコンと睨めっこしていた寛人も。




そして寝ようとしていた私も、一斉に入口の方へと視線が流れる。





「ダーッ!疲れたっ」



開いたドアから雪崩れ込むように入ってきた悠麻にそっくりな双子の兄。

その手には運ぶのに一苦労しそうなほどの大量のビニール袋。



買い出しでも行ってたみたいだけど、それにしても凄い量の買い出し品だ。
どう見ても1人で行かせる買い出しの量じゃない。




それも、こんな可愛い顔した一見か弱そうに見える男の子に頼むなんて。



まあそんなことを口に出せば面倒なことになるのは目に見えているからあくまで心の中で思うだけだけど。