「おい、…–––––––」
「そろそろ此処出たいんだけど、鍵、理事長室に返しといてもらえる?」
変わらず目の前にいる彼の声を遮り、右手に持っていた屋上の鍵をポーンと彼に向かって投げる。
「チッ」
まだ納得いかないのか、まさに納得できねえというような顔をした彼は、彼の真後ろにある出口に向かって歩いていく私を真っ直ぐに睨んだまま動かない。
「フッ…」
そんなに睨まなくたって大丈夫なのに。
今日、貴方が此処に来てくれたから5%勝率が上がったわよ。
だけどせめて9割は欲しい。
だから………––––
彼とすれ違ったその瞬間。
「頑張って反対し続けてよね…–––––
私の事が大っ嫌いな––––––––––––––…加賀 辰(カガ タツ)さん?」
まさか本人から出向いてくれるとは思ってもなかったよ。
タイムリミットまで
–––––––––––––––––––あと4日。
