ふと、先程の会話が脳内に蘇る。
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『誰の調べたんだよ?』
『さあ?誰だと思う?』
『俺は焦らす趣味はあっても焦らされる趣味はねえよ』
『ずいぶん悪趣味ね』
『お前に焦らされるんだったら本望だがな』
『颯ちゃんみたいなこと言わないでよ』
『…お前それ本人の前で言うなよ』
『何でよ…?』
『後処理がだりい』
『それこそ本人に言わない方がいいんじゃない?』
『で、お前は何を調べたんだ』
『女が嫌いな人。それも…ーーー』
『双子の兄貴か?』
『チッ…人の話を最後まで聞け』
『すいません続けてください』
『蒼麻はただの女嫌い。それを調べたって何も出てこないでしょ?』
『ああ』
『私が欲しい情報は''全員yesを出さなくてはいけないあいつら''の不利な情報』
『だからって何で女嫌いが出てくんだ?』
『女嫌いでも、特に………
''サクラ''と言う名前の女を嫌うからよ。–––––––––……加賀 辰はね』
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先程の理事長室での会話。
流石の匡ちゃんもこの学校の理事長をやってるからそこら辺の人よりかは詳しいと言えども、この事実は知らなかったみたいだ。
初めて会ったときから少し違和感があった。
加賀と言う奴の私に向ける視線は、睨んでいるけども何処か憎しみの隠った…そして探るような、そんな視線に。
何故、彼が''サクラ''という名前を嫌うのか。
彼の過去に関係していることは間違いないがそこまで探るほどの興味はない。
それに探る必要もないくらい彼は私を拒絶しているんだから、探るだけ時間の無駄。
